デザイン思考でユーザーの体験を作る5つのプロセスについて解説しています。
1)観察・共感
2)課題定義
3)発案
4)プロトタイピング
5)検証
発案のプロセスでは、①発散してから②具体化するといった順番や、発散が求められるデザインスプリントなどで用いられている手法などをご紹介させていただきました。
4)プロトタイピング
プロトタイプとは試作品のことです。
アイディアを具体化したのち、試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法をプロトタイピングと言います。
プロトタイピングには以下のメリットがあります。
①目に見える
アイディアは概念なので、様々なステークホルダーが同じ理解を得るのは至難の業です。
プロトタイプという形に表すことで、アイディアの見える化が起こり、これに基づくことでコミュニケーションがスムーズになり、効率的に開発を進めることができます。
②早期に失敗できる
アイディアがユーザーにとって本当に適切なのか確証を持てない場合もあるかと思われます。
プロトタイプを用いれば、低コストで検証することができます。
また、プロトタイプにフィードバックをもらうことで、アイディアに対する改善サイクルを早い段階から回すことができます。
小さなエラーを早い段階で経験し、軌道修正していくことで、完成間近やリリース後になって大きな失敗が起こることを防ぐことができるのです。
プロトタイピングは、以下の5つのステップで進めます。
①ユーザーストーリーを考える
「どのようなユーザーが、どんな目的のために、何をするのか」を考え、ユーザーが経験するストーリーを立ててみます。
②ユーザーフロー(流れ)を示す
ユーザーストーリーができたら、次にそのフロー(流れ)を示します。
ストーリーの中で優先すべき事項に焦点を当て、どのような動きや選択肢を加えればユーザーにとって使いやすいプロダクトになるのかを1つの流れに沿ってまとめます。
③スケッチする
ユーザーが利用する画面や操作などの内容を決定します。
早い段階からツールに落とし込んでおくと、チーム内でイメージを共有する際や仕様の変更にも柔軟に対応することができます。
④モックアップをつくる
スケッチを仕上げ、画像や色など最終的なデザインを施したモックアップを作ります。
⑤動かす
ユーザーストーリーを元に制作したモックアップをユーザーフローに沿って実際に動かしてみます。
最後に効率的かつ効果的なプロトタイピングを行うための注意点です。
それは、検証する内容に優先順位をつけたり、検証すべき目的を明確にしておくことです。
・ユーザーはどのような人で何を求めているのか
・そのユーザーのために解決すべき課題は何なのか、など
焦らずに一度踏みとどまって、チームメンバーと一緒に目的や検証するべき内容を確認しておきましょう。
次回以降も引き続き各プロセスを解説して行きます。
Comentários