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執筆者の写真熊澤剛

コミュニケーションと心理的安全性(その1)



今回から、私が対応している課題について、私の考えを整理しながらお伝えして行こうと思います。

課題のタイトルはずばり「コミュニケーションの効率化は心理的安全性を損なうのか?」


そもそも、心理的安全性とは何でしょう?

心理的安全性とは、組織やチームにおいて、自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態を指します。

皆さんの中には2015年に発表されたGoogleでの研究結果をご存じの方もいらっしゃるかも知れません。

Googleは「プロジェクト・アリストテレス」という4年にも渡る生産性改革プロジェクトの中で、「高い成果を生み出すチーム」が共通して持つ成功要因を探し出しました。

その結果、決定的な要因として明らかになったのが、「心理的安全性」だったのです。

心理的安全性の高い組織やチームほど、パフォーマンスが向上することが分かりました。


この研究結果を受けて、心理的安全性を確保する為には何をすべきか?といったマネジメント手法の探索が始まります。

今では一般的になった「1on1」や、社員が普段は話をすることがない経営陣と直接対話する「タウンホールミーティング」など定期的に開かれるようになったのは、この頃からでした。


しかしながら、私はこれらのマネジメント手法が功を奏して、心理的安全性が向上したという職場をあまり見たことがありません。

それは日本企業だからなのかと思っていましたが、グローバル企業においても同様のようです。

全社員が参加するタウンホールミーティングが毎月開催され、経営陣が台本に従ってスライドを掲示しながら話す。

最後にQ&Aを募るも誰も何も発言せず終わる。この繰り返し。

下手をすると、主催者側が予め社員に発言をするように仕込んでいて、経営陣がその様子に満足するといった茶番もあるのでは?とすら疑ってしまいます。

実際にとある外資系企業で、今回の質問者は〇〇部から出すようにとのお達しを聞いたこともあります。


どこでこのようなボタンの掛け違いが起こってしまったのか?

恐らくそれは「心理的安全性」と「コミュニケーション」の本質を正しく理解していないことに起因しているものと考えています。


次回から、先ずは心理的安全性について深堀していきたいと思います。

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